ライナーノーツ 『ぼけ』

【歌詞】


【『ぼけ』を制作したきっかけ】

は小さい頃から、事あるごとに「ボケ」と母から罵られてきた。

だから「ぼけ」という言葉は、聞くのも口にするのも嫌やったんやけど、ある春の日、近所のぼけが見事に咲いてたのを目にして

「きれいな花なのに、嫌な名前やな…」と思った次の瞬間、「これだ!」と閃いた。

それがこの歌を作ろうと思ったきっかけ。


【家族に対する葛藤】

族について歌った作品としては、20代の頃に作った「my life」という歌がある。

この作品では、幸せな家庭を描いているけど、今から思えば、現実から目をそらして理想化してた。

もちろん歌詞にあるような場面もあったにはあったけど、私は自己犠牲を強いられてたし、ばあちゃんも歩けなくなってからはひどい扱いで。

言うなれば、いい子ぶって作った作品だ。

後に、私は実家と絶交。

そこで初めて自分の中に黒い感情が蓄積していることに気づいた。

それをすぐに歌にできなかったのは、葛藤や恐れが自分にあったし、歌の中ではきれいな自分でいたいっていうロマンチシズム的な考えがあったから。

だから、家族の問題を早く解決しなきゃ……と模索した時期があったけど、そうやって頑張ること自体が承認欲求だって気づいて。

それならばと過去を手放したら手放したで、自分を見失って何もやる気が出なくなり。

紆余曲折を経て、やっぱり私は音楽が作りたいんだと思ってたのね。


【ちゃんみなさんの音楽との出会い】

んな矢先にたまたま知った、ちゃんみなさんの「美人」という曲。

最初は見た目や曲調に抵抗があったけど、彼女のことを調べれば調べるほど、引き込まれていく自分がいた。

ネガテイブな過去だって芸術として昇華させることができる、それを体現しているちゃんみなさんをめちゃくちゃかっこいいと思ったし、自分もそうしたいと思った。

過去と向き合うのは、それまでは本当にしんどかったのに、いざ怒りを音楽にしてやろうと思ったらワクワクが止まらない。

「きれいな自分」をやめて、内臓をさらけ出すくらいの気持ちで歌いたい。

あの体験があったから、私はこの作品を作れたんだ…!って言ってやる。

そんな気持ちで作品、そして自分と向き合えたのは、新鮮だった。

だから、ちゃんみなさんには、本当に感謝しかない。

「あの彼女を助けなさい」は、私の心を変えたフレーズだ。


【この歌で伝えたいこと】

のように、親を起因として生きづらい人生を歩んでいる人は少なくないと思う。

親も自分のアイデンティティの一部である以上、否定をすれば自己否定になり、受容すれば自分が潰れてしまう。

そんなジレンマの中で、自身の成長の機会を失うだけでなく、心身を壊してしまう人もいる。

社会の大半は健全な家庭だろうから、こんな歪んだ親子関係があること自体、理解すらされない。

「甘え」や「未熟」などと責められ、挙句の果てには「発達障害」なんてレッテルを貼られ、自分でも「そうかな」なんて思い込んで、小さく小さく生きていく。

ほんま、めっちゃ理不尽……!

私自身、「親を悪く言うのはタブー」という感覚があったけど、芸術がそれをしないで誰がするんだって。

親から愛されるために頑張ってきたこと、それでも認めてもらえなかったこと。

たくさん飲み込んできた本音の数々。

「そうよ 私はぼけよ」と開き直るのに、私は40年かかったんやけど、もっとうまく生きる術はあったと思う。

だからこそ、この歌が同じように親子関係で苦しんでいる人に届いて、人生の花を咲かせるきっかけにしてほしい。

そして、社会全体がお花畑になったらいいなと本気で思う。

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